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あの娘ぼくがブログ書いたらどんな顔するだろう

3歩進んでは2歩下がってしまう25歳ゲイのブログ

誰かの名言

誰かが言ったありがたい言葉だって大抵はただの気休め。時間が経ってしまい本当に苦しい時には何にも役にたたないことは知っている。それでも密かに自分の中にしまっておいて時々取り出してはかみしめたくなる言葉がある。

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不朽の名作ドラマ「アリー my love」の中のやりとり。見せかけばかりで本当は自尊心の低いエレインが必死の思いでダンスコンテストで優勝する。やっと自分が認められその成功に自己陶酔する彼女に同僚のラリーが投げかけるこの言葉。

ラリー「ピカピカだね」エレイン「だからお願い、今夜だけはこの輝きに水をささないで」ラリー「ああ、もちろん。それはずっとそうするけど。一番大事なのは飾る場所。目立つとこ置いちゃうと、それが君の全てになっちゃう。それだけじゃないのに。でも、引き出しにしまえば、過去の実績のひとつになる。しかも、引き出しの中なら輝きも、簡単にはあせない。それは、君の勝ち取った勲章。でも、その枠におさまらないで。」

なにかが上手くいき、達成感と自信に満ち溢れて誇らしい気分になる時。ついつい他人にその成功を見せびらかしてしまいそうになるとき、この言葉を思い出す。勝ち取った勲章に満足して自分の全てを収めてしまうのは簡単、けどその枠におさまらないで。心の中でラリー役のロバートダウニーjrが僕にそうささやくのだ(最高)。

 

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歌手のFrank Oceanがカミングアウトをした際に彼のブログにアップされた文章(長いので抜粋)。全文の和訳はこちら英語版こちら

たくさんの、ありがとう。

あなたが誰であれ、どこに住んでいようとも、ぼくたちはみんな、共通項の方が断然多いんじゃないかと思い始めているんだ。人間には腹黒さ(陰険さ)が渦巻いている。誰もが、見て欲しくて、触って欲しくて、聞いて欲しくて、注目して欲しがっている。ぼくが愛する人たちについてここでは言ってるんだけど。ここ3年ほど、僕の中の創造主に叫び続けている。空の雲に向かって叫ぶ。何らかの説明を求めて。情けを求めているのかもしれない。心の平和に注ぐ恵みの雨、天与のかて(思いがけず手にはいるもの)のような。

4年前の夏、ある人に出会った。19才の時のことだ。彼も同い年だった。その夏と、その翌年の夏を一緒に過ごした。ほぼ毎日。一緒に過ごした日々は、流れるように過ぎていった。会う時はたいてい、彼は笑顔だった。彼の会話を聞き、沈黙を耳にした…眠りにつく時まで。彼と一緒に眠りにつくことがほとんどだった。恋に落ちていると気づく頃には、それはもう悪性だった。絶望的だった。逃れることなんてできなかった。感情と交渉する余地なんてなかった。選択の余地なし。

それは初恋で、ぼくの人生は変わってしまった。それまでのぼくは、付き合っていた女性のこと、彼女のことを想い、愛し合っていると信じていた女性のことを考えていた。ティーンエイジャーの頃に好きだったセンチメンタルな曲に想いを馳せた…初めてのガールフレンドを持った時に演奏した曲だ。それらの曲は、ぼくがまだ語ったことのない言葉で書かれていたことに気づいた。あまりに早く、あまりに多くに気づてしまったんだ。飛んでる飛行機から放り出されることを想像してみてくれ。ぼくは飛行機の中にいなかったけどね。ぼくは日産マキシマに乗っていた。荷物をまとめてLAを目指した時に乗っていたヤツだ。車の中に座りながら、友達にぼくの気持ちを告げた。口から言葉がこぼれると、涙が流れてきた。もう告白の言葉は後戻りできないんだと思うと、悲しみに嘆いた。彼はぼくの背中を軽く叩いて、優しい言葉をかけてくれた。ベストを尽くしてはくれたけど、彼はぼくと同じ気持ちだとは認めなかった。彼はもうすぐに家の中に戻らないといけなくて、もう夜は遅く、ガールフレンドが2階で彼のことを待っていた。

ありがとう。ぼくの初恋の人、あなたに感謝している。ぼくが望んだ結果にはならなったし、決して十分ではなかったけれど、感謝しているし、それでよかったんだ。ままならないことは常にあるものだし、ぼくたちだって同じこと。あなたのことは忘れない。あの夏のことは忘れない。あなたに会った時の自分を忘れない。あの頃のあなたを、そしてぼくたちがどう変わったかを、そしてあの頃と変わりないぼくたちを、忘れないでいるよ。今ほど人生に、生きていることに、尊敬の念を抱いたことはない。きっと死ぬような思いをしてこそ、生きているという事実に気づくものなのかもしれない。

ありがとう。ぼくを強く育ててくれた母に。ぼくが勇敢でいられるのは、あなたがいたからこそ…だから、ありがとう。みんなに。素晴らしいこと、もの、ひと、すべてに。自由の身になった気分だ。耳をよく研ぎ澄ませば…空が落ちてくる(この世の終わり、過度の心配・臆病をさす)音も聴こえるよ。

フランク

「男は男らしくあれ」そんなゴリゴリのマッチョイズムが蔓延る黒人HIPHOP文化の中ではじめてカミングアウトしたアーティスト、Frank Ocean。彼のブログにアップされたこの文章はあまりに美しく、詩的で、そして正直だった。自分のことを人に話すのが不安な時や勇気がでないとき彼のこの勇敢な言葉を思い出す。

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昔のメモ帳を漁っていたらこの二つの言葉について書いた文章があった。ただの言葉、だけどそんな言葉にパワーを感じるときもある。

 

 

ノリマキ