読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あの娘ぼくがブログ書いたらどんな顔するだろう

3歩進んでは2歩下がってしまう25歳ゲイのブログ

メディアとしての渋谷

仕事

前回に引き続き今回もAdvertising Week Asiaのセッション報告です。

■セッション名
メディアとしての渋谷

■登壇者
小野村さん(WEBメディアZtokyo編集長)
金山さん(渋谷区観光協会理事長)
亀井さん(Tokyo Otaku Mode編集長)

■感想
街をメディアと捉える。その考え方が新鮮で目からウロコだった。

■以下内容

東京のカルチャーを象徴する風景はなんですか。という問いに三人とも同じ風景を思い浮かべる。それは「表参道の人ごみ」。その理由とは。

f:id:cosmic333:20160605022951j:plain

日本において「文化」と「カルチャー」は違う意味を成している。文化とは道のこと。華道、茶道、書道など昔から絶えず続いてきたもの。それは変わることがなく形式美が重要視されている。一方「カルチャー」には道感がない。カルチャーに漂っている気配は人の気配。カルチャーの向こう側にはインスタントに楽しむ人々がいる。もっと言うと消費する人がいるのでカルチャーが存在している。

f:id:cosmic333:20160605023033p:plainもともとポップカルチャーは美術からすこし離れたところで大衆に親しみやすい、楽しめるものを提供するために生まれた。しかしカルチャーは文化的に成熟している国、経済的に豊かな国でしか生まれない。経済的に貧しい国では100円あれば食べ物を買う。消費がアートには向かない。なのでアートは豊かなところでしか生まれない。なので「流行の発信地」であり「消費する人」がそこに集まる「表参道の人ごみ」は東京のポップカルチャーを象徴する風景である。


カルチャーは東京からしか生まれないのか。東京、福岡、仙台、それぞれにカルチャーはある。それはその土地が持っているアセット。言葉や地域性による性格。結局その空気の中にあるオリジナリティーがカルチャーを作る。

渋谷のユニークさは「路地裏文化」。区画整理がされていないため路地が沢山ある。表の大通りはメガブランドが立ち並び隙がないが、裏路地ならば店を持てる。そしてそこで自分の価値観を発信している店がたくさんある。そしてそこに若者が集まりカルチャーが生まれている。人が集まり、フィジカルな摩擦が生まれるとき、そこにはカルチャーが生まれる。

トレンドとカルチャーは異なるものである。トレンドは作れる。広告会社がうまいPRをして、人にその商品やものを素晴らしいと「思わせる」こと、それがトレンド。カルチャーには持続性が必要でそれは人為的には起こすことができない。カルチャーは人が実際に目撃し「これは誰かに伝えないといけない」「これは買わなくちゃいけない」と「実感すること」そしてこれが人伝いに伝わり半永久的に続いていくこと。なのでカルチャーは人と人とのフィジカルな摩擦から生まれる。

メディアとしての渋谷の価値とは。メディアの価値はふたつある。メディアの向こう側にどれだけの人がいるか、そして発信する情報のクオリティの高さ。渋谷は前者はクリアしている。けど後者の情報発信の面でいうとタイムズスクエアのほうがクオリティが高い。渋谷の屋外広告はそれぞれのビルの管理者が管理しているので統一感がない。広告は沢山あるがありすぎてノイズになり伝わらない。渋谷の広告価値って実は低いのではないか。しかし、すべてをコントロールして今の雑踏感がなくなってしまうのもどうなのか。「ノイズ」は渋谷のカルチャーのひとつではないのか。そしてノイズがあるからこそ広告クリエイターがしのぎを削り知恵比べをして広告のクオリティーがあがっているのではないか。

広告を人に届けるときにただ情報を伝える「インフォメーション」だけではいけないと思う。その先にある「インテリジェンス」を育てるような伝え方が求められている。人間の知的欲求があるため「インテリジェンス」があるものは自分から率先してとりにくる。

2020年の東京オリンピックに向けて。渋谷はラッキーなことに東急の再開発が進み、新しい価値を提供できるようになる。シンガポールジャカルタのようにがんがん開発される都市にも負けないような近未来的な都市になる。
------------------------------

文化とカルチャーの話ってどうしても抽象的でふわっとしてしてしまう。けどこのセッションでは「文化とはなにか」「カルチャーとはなにか」をだいぶ手探りだけど定義していたのが気持ちよかった。後半のメディアの価値としての東京という話も勉強になったなあ。街をメディアととらえ、そこにある街頭広告の価値をあげる施策をうつ。WEBと一緒なんだなあと。渋谷ファンの一人としては、渋谷区観光理事長の話を直接聴けて嬉しかった。渋谷の裏路地文化、音楽文化も理事長は把握して、尊重しているみたいなので安心しました。もっともっと渋谷であそぶぞー!

 

ノリマキ